ハワイ神話
ハワイに初めて人類が誕生した神話を今日はご紹介します
オアフ島のカネオヘ湾に伸びるモカプ半島…現在は軍用地になっており、一般人は立入禁止となっていますが、ここはハワイ神話上とても重要な土地です
モカプ半島に、昔カハカハケアと呼ばれる赤土まじりの土地がありました(現在はパフナと呼ばれる土地)
ハワイ4大神クー、カナロア、カネ、ロノは、この地の赤土から人類を創ることにしました
まず、カナロアが赤土で神々の姿に似せた人形をつくりました
「土よ!人間になれ!」
と他の3人の神々が命じましたが、土はピクリとも動かず固まって石になってしまいました
そこで、今度はカネが挑戦することになりました
カネは赤土で神々の姿に似せた人形を作り、クーとロノに精霊を捕まえてくるよう命じ、土人形の中に押し込みます
次に、命を吹き込むチャントをカネは歌いました
他の3人の神々もそのチャントに合わせ詠唱し、カネを助けます
「起きよ!生きよ!」
命じると、土人形はむくむくと起き上がり人間の男になりました
これがこの世に初めて誕生した人間です
男は神々に色んなことを教わり生活を始めます
ある時、ふと自分の足元を見ると黒い影があることに気付きます
「これは何だろう?」
男はいつも追ってついてくる影が気になり「アカ(ハワイ語で影のこと)」という名前をつけました
神々は、男が一人では寂しいだろうと思い、男の体から骨を取り出し、それで女を作りました
男はいつも追ってついてくる影「アカ」を神々が美しい女性に変えてくれたに違いない!と思い喜びました
こうして二人はハワイアンの祖先になりました
この神話は文字を持たなかったハワイアンが、19世紀以降、西洋人とキリスト教の影響下で文章化されたことにより、聖書の影響をかなりうけていることがわかります
色々なバージョンがあり、本来の神話はどうであったのか?…それは定かではありませんが、モカプ半島の地がハワイアン誕生の聖地であることには違いありません…
そんな重要な地であるにもかかわらず、現在は立入禁止区域…なんだか悲しい現実ですね
モカプという地名ですが…
16世紀、この地はオアフ島の王族の聖地でした
この地を制圧したカメハメハ大王は、神聖な地を王族の寄り合いの地にしたそうです
そのため、半島を『モクカプ』と名付けたそうです
『モク』は、小さな島、半島、をあらわすハワイ語
『カプ』はタブー、禁制、をあらわすハワイ語
『王族以外の立入を禁止する半島』という感じですね
それが、いつしかなまって『モカプ』と呼ばれるようになったということです
今では『アメリカ軍の兵隊以外は立入禁止』になっていますが…
ハワイは至る所が聖地です
想いのこもった土地を、ハワイに限らずここ日本でも、後世に伝えていけるよう守っていきたいですね
〜Aloha〜