ルース・ケエリコラニ

『ルース・ケエリコラニ』

  前回、お話したバーニス・パウアヒ・ビショップは、ハワイアンの伝統文化を後世に…また、生まれ育つハワイアンの子供達にハワイアンとしての誇りや生き方を伝えるために財産を使うことを遺言に残しこの世を去りました
  その財産はハワイ全島の約10%と莫大なものだったのですが、実はこれには『ルース・ケエリコラニ』の財産も含まれていたのです
  つまり、カメハメハ・スクールズやビショップ・ミュージアムは、パウアヒとルース、二人の財産で創設されたことになります
  二人はカメハメハ大王の血を引く由緒正しき血筋…彼女達の生きた時代は、ちょうど、カメハメハ直系の血筋が途絶え、選挙による王が誕生するという変化の時代でもありました
  カメハメハ直系が消えつつある時代に、二人は自分達の血筋を重んじ、また、カメハメハ大王の残したものや意志を継ぐことに誇りと責任を感じていました 
  二人は生前、ハワイアンとして、カメハメハ大王の血筋として、自分達にいったい何が出来るか?をよく話し合ったそうです
  パウアヒは、社交的で西洋の文化しきたりを取り入れ華やかに生きましたが、一方、ルースは西洋文化を嫌い、そういった場には姿を見せず、元来のハワイアンのしきたりを重んじました
  二人の生き方には違いがありましたが、カメハメハ大王の直系としてハワイに残せるものは何か?を二人でよく話し合い、財産の使い道について幾度となく相談していたと言われます
  ルースが遺言に「全財産をパウアヒに与える」と残したのは、生前の二人の話し合いで既に「使い道」は決まっていたのかもしれませんね!パウアヒなら自分の意志を引き継ぎ納得のいく使い方をしてくれるだろう…と!
   あまり名前の出てこないルース・ケエリコラニですが、カメハメハ大王の直系としてハワイに残したものは偉大です…カメハメハスクールズやビショップ・ミュージアムは「バーニス・パウアヒ」となっていますが、その陰にはカメハメハ大王の血を引く偉大なマナの持ち主『ルース・ケエリコラニ』がいることを忘れてはなりません…

〜Aloha〜