カウイケアオウリ

ハワイの歴史


 今日はカメハメハ3世の話…

 リホリホ王が死去し王位を継いだカウイケアオウリ・カメハメハ3世…彼が王位を継承したのはまだ幼い10歳そこそこの少年の頃…それから死去する40歳までの30年近くもハワイを統治しました

 3世の印象は史上では薄く、あまり話題に上がりませんが、残した言葉は有名!


『ハワイの国家、土地の命は

   正義によって守られる』


 この言葉はイオラニ宮殿の門に刻まれ、ハワイ州の公式標語となっています

 

 ハワイという土地は、その地に神が宿り、自然と共に人々は生きていました…大地(ハワイ)の子としてハワイアンたちは一生を過ごし、母なる大地を大切にしてきました…

 ですので、大地が(ハワイが)安泰であるのは人々の正義感によるもの…双方の想いがなければならないという意識がありました…

 その大地に対する関係性が崩れていく事態となっていきます…

 土地はある意味、王族のモノ!王族が庶民に分け与え、土地の自然を絶やさず、生活の場を人々が守る事が課せられていたのですが、西洋人の流入により、土地の『売買』という観念が強いられます…

 当時の世界情勢は、大航海時代から、貿易が盛んになっていた頃…捕鯨船が太平洋のど真ん中で、物資の補給や休憩がとれる絶好の場としてハワイは活用されます…

 たくさんの外国人がやってき、文明は一気に加速しますが、それまでになかった病気も入ってきたので、免疫のないハワイアンたちは次々に感染し、人口が減少していきます…

 布教活動が盛んに行われ、クリスチャンになっていくハワイアンたちも増えていきます…それまでの伝統あるしきたりが衰退していき、『西洋風』がどんどん浸透していった為、『ハワイの土地』イコール『王族の土地』という概念が変わっていきました…

 とうとうカメハメハ3世は土地を分配するということに同意しなければならなくなり、『マヘレ』(分ける・分配するという意味のハワイ語)を行うことになりました…

 この結果、ハワイの土地を諸外国人たちが買っていき、どんどんハワイアンたちの土地が無くなっていきます…

 時代は植民地時代…文明に追いつかなければ植民地として乗っ取られる…という危機もあり、カメハメハ3世は、西洋人風のやり方に耳を傾けなければならないというコトと、ハワイアンとしてのアイデンティティーを守るということの板挟みに悩まされます…

 そうして『マヘレ』に続き『憲法』を掲げ、文明化した国であることを世界に知らしめることで植民地化を逃れます…

 それまでは、『王』イコール『憲法』という図があったのですが、『憲法』を発布するここにより王族の権威は縮小されていきました


 カウイケアオウリ・カメハメハ3世の統治した時代は『ハワイ』という国家を保つため、文明化を迫られ、急変していった時代…

 40年近くもの間、カメハメハ3世はハワイ国家安泰の為に走り続けたのです…

 

 カウイケアオウリの子供は幼い頃に亡くなっていた為、王位を継承するのは、養子になったカウイケアオウリの姉の子供に引き継がれます…

 

 本日はこれまで…


 時に、私たちは自分の意志とは関係なく社会の流れにのまれることもあります…

 しかし、そんな社会に嘆くのではなく、自分がやるべきことにしっかり焦点をあて、自分の役割、夢に向かって歩むことを忘れてはなりません…カウイケアオウリもきっと…そう生きたに違いありません…


 ではまた…


〜Aloha〜